火葬後の儀式「骨上げ」とは?手順・マナー・供養方法を徹底解説
人が亡くなった後は、お通夜・葬儀・火葬と続き、遺族は多くの儀式を執り行います。その中で、火葬後に行われる「骨上げ(収骨)」は、故人を弔う重要な儀式の一つです。
本記事では、骨上げの意味や手順、地域ごとの違い、供養方法まで詳しく解説します。初めて参列する方にも分かりやすいよう、マナーや注意点も紹介していきます。
骨上げ(収骨)とは?
骨上げとは、火葬後に遺族が箸を使ってご遺骨を拾い、骨壷へ納める儀式です。この儀式には、「故人が三途の川を無事に渡れるように」という意味が込められています。
海外では土葬が主流の国も多く、火葬の場合でも骨上げを行わないことが一般的です。そのため、日本独自の文化といえます。
地域によって異なる骨上げの方法
骨上げの方法は地域によって異なり、大きく以下の2つに分かれます。
東日本:全収骨(ぜんしゅうこつ)
-
故人の遺骨をすべて骨壷に収める
-
骨壷のサイズが大きい
-
遺骨が入りきらない場合は砕いて納める
西日本:部分収骨(ぶぶんしゅうこつ)
-
遺骨の一部のみを骨壷に納める
-
骨壷のサイズが小さい
-
遺骨の一部はお墓に納めるか、火葬場で供養される
初めて参列する方は、地域ごとの違いを理解し、現地の風習に従いましょう。
骨上げの手順とマナー
1. 二人一組で骨を拾う
骨上げは、二人一組で行うのが一般的です。1人が箸で骨を拾い、もう1人がそれを受け取り骨壷へ納めます。この動作には「故人があの世へ無事に旅立てるように」という願いが込められています。
2. 違い箸を使用する
骨上げには「違い箸(ちがいばし)」と呼ばれる、竹製と木製の箸を1本ずつ組み合わせた専用の箸を使用します。これは「逆さ事(さかさごと)」といい、日常とは逆の行為を行うことで不幸を持ち込まないようにする意味があります。
3. 故人と関係が深い人から行う
遺族の中でも故人と最も関係の深い人(喪主や近親者)から骨上げを行い、その後、親族や参列者の順に進めます。
4. 喉仏は最後に喪主が拾う
喉仏(のどぼとけ)は、仏が座禅を組んでいるように見えることから特別な骨とされます。そのため、最後に喪主が拾い、骨壷へ納めるのが一般的です。
5. スタッフの指示に従う
骨上げは、火葬場のスタッフが手順を案内してくれるため、初めての方でも安心して参加できます。
6. 参加を辞退する場合は事前に伝える
「故人の骨を拾うのがつらい」「火葬場に行くのが苦しい」と感じる場合は、事前に喪主へ伝えておくことがマナーです。
骨上げ後に行う「初七日法要」
骨上げの後には、初七日法要(しょなのかほうよう)を行うことがあります。これは、故人が亡くなった日から7日目に営まれる法要ですが、葬儀と同じ日に行う「繰り上げ初七日法要」とすることも増えています。
繰り上げ初七日法要とは?
-
火葬場から戻った後、葬儀場で行われることが多い
-
僧侶による読経と参列者の焼香が行われる
-
遺族の負担を軽減するため、葬儀と一緒に行うケースが増加
この法要をどのタイミングで行うかは、遺族間でしっかり相談しましょう。
火葬後の供養方法
骨上げが終わった後の供養方法は、主に以下の3つです。
1. お墓に埋葬する
一般的な供養方法で、以下のような選択肢があります。
-
一般墓:伝統的な墓石を建て、個別に納骨する
-
納骨堂:屋内型の納骨施設で、ロッカー型や仏壇型がある
-
樹木葬:墓石の代わりに樹木をシンボルとする供養方法
-
合祀墓:複数の遺骨をまとめて埋葬する形式(費用を抑えられる)
2. 散骨する
遺骨をパウダー状にして海や山に撒く供養方法です。個人で行うことも可能ですが、ルールを守る必要があるため、専門業者に依頼するのが安心です。
3. 自宅で供養する(手元供養)
遺骨をミニ仏壇やミニ骨壷に納め、リビングなどに安置する方法です。最近では遺骨をアクセサリーに加工し、身につける供養も人気があります。
ただし、家族や親族の理解を得ることが大切です。事前に相談し、トラブルを避けましょう。
まとめ
-
骨上げは火葬後に行われる大切な儀式
-
地域によって「全収骨」と「部分収骨」の違いがある
-
手順やマナーを守って参列し、スタッフの指示に従う
-
供養方法は「お墓」「散骨」「手元供養」など多様化している
火葬後の儀式や供養方法は、故人を偲ぶ大切な時間です。マナーを守りながら、最適な方法で供養を行いましょう。