一周忌とは?一回忌との違いやお布施・香典・お供え・お返しについて(後編)


一周忌とは?一回忌との違いやお布施・香典・お供え・お返しについて

 

【準備】


一周忌は満1年後に行われていましたが、近年では少し前の休日に合わせて行われる事が多いです。

場所と日時が決まったらまずお寺・会館に連絡をします。急な場合はお寺も対応できない事があるので、2か月程前には連絡して確認します。

その後参列者への連絡を行いますが、呼ぶ人数が多い場合は案内状を出し出欠席の確認をしっかりとするのが確実です。


【服装】


一周忌の服装は、施主や親族は正礼装か略礼装が一般的です。参列者も特に指定がなければ略礼装で参列するのが無難です
案内状に平服と指定が書かれている場合でも、雰囲気を壊さないような服装で行く必要があります。
男性の場合は黒や濃紺のブラックスーツに白いワイシャツと黒いネクタイを、
女性の場合も露出は極力控え、黒や濃紺などのワンピースにストッキングを履き、アクセサリーも結婚指輪程度にしておくのが望ましいです。


【開始時の挨拶例】

「本日はお忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。
それではこれより(戒名)の一周忌の法要を始めさせて頂きます。
本日は○○寺の住職である○○様に
お願いしております。
それでは○○様お願い致します。」

この時の故人の呼び方は、
氏名ではなく戒名で呼ぶのが正しい作法です。
参列者に挨拶をし、僧侶にも挨拶と一礼を
した後読経と焼香が始まります。
焼香が全員終わった段階で、
終了時の挨拶を行います。

【終了時の挨拶例】

「本日はおかげ様で(戒名)の
一周忌法要を無事終える事ができ、
故人も安心している事と思います。
皆様にはこれからも変わらぬ
ご支援の程よろしくお願いいたします。
簡単ではございますが、
お膳を用意させてもらいました。
お時間の許す限りゆっくりとなさってください。
本日はまことにありがとうございました。」
終了時の挨拶では、お礼とお斎の案内をする事が多いです。
その後会場へ案内をして、法要は終わりとなります。


 ●香典金額の相場
一周忌ではそもそも香典不要と
される場合もあるようですが、
指定がない限りは香典を持参するようにします。
香典の相場は一周忌法要に参列するだけなのか、
その後のお斎まで参加するのか、
卒塔婆を立てるのかによっても変わってきます。

一周忌法要に参列するだけの場合は5000円~1万円、
お斎にも参加する場合は1万円~2万円、
卒塔婆を立てる場合は5千円程多く包むのが相場です。
しかし故人に生前お世話になっている場合などでは
5千円~1万円多く包む事もあるようです。

 ●香典袋(不祝儀袋)の書き方
一周忌も葬儀などと同じく不祝儀袋を使います。
故人はすでに仏様になられているので、
表書きは「御仏前」、「御沸前」、
「御供養物料」、「御香料」などを書きます。
また、葬儀の場合は薄墨で書きますが、
一周忌の場合は薄墨ではなく濃い墨を使用します。

薄墨は急な事で墨をすれなかったや、涙で墨が薄くなったとされており、突然の別れに動揺しているという意味で使われる物です。その為四十九日以降は全て濃い墨で書くようにします。

 ●香典に加えてお供え物も必要なの?
一周忌には香典かお供え物のどちらかを持参すればよく、特に指定がない限り両方持って行く必要はありません。お供え物の金額の相場は5千円~1万円とされており、一周忌法要のみに参列する場合と同等とされています。


 お供え物に適した品物はあるの?

 

お供え物を持参する際に注意するポイントは、遺族の手間にならないようにする事です。その為、重たい物やかさばる物は避けるようにします。またお供え物は法要後に分けて持ち帰る事が多いので、個別包装が喜ばれると言われています。

 ●一周忌法要のお返しや引出物
一周忌の場合でも香典を頂くのであれば、香典返しや引き出物は用意します。基本的には頂いた香典の半分から1/3程度でお返しをするのが相場ですが、お斎を用意している場合はその分お返しは少なくても良いとされています。

 【まとめ】

一周忌という言葉は知っていても、それぞれの相場やマナーについては意外と知られていません。しかし形式的な事やマナーはいくつかありますが、それよりも大事なのは故人を偲ぶ気持ちです。失礼がないようにするのは大切ですが、そればかりだと本来の目的からは離れてしまいます。事前に一周忌に対する理解を深めておき、追善供養としての本来の役割を果たし故人に感謝の気持ちを伝えましょう。