着物の喪服を着用する場合のマナー
①季節に合わせた素材を着る
10月から5月は、胴裏・袖裏・裾回しなどに裏地を付けて仕上げる袷(あわせ)仕立てを、袷では暑くなる6月と9月には、裏地をすべて除いた単衣(ひとえ)仕立てを着用します。
より暑さが厳しい7月と8月には、糸の密度を粗くして風通しをよくした絽を使った薄物(うすもの)を着用しましょう。
冬(袷 生地)
夏(単衣 生地)
②喪服着物の着こなし・着付けマナー
格式の高い紋付きの着物には、袋帯を合わせますが、喪服の着物の場合には、「悲しみが重ならないように一重太鼓にする」という意味から、黒の名古屋帯を合わせます。帯に合わせる帯揚げ・帯締めも黒で統一します。
夏の薄物の着物には絽の名古屋帯を、帯揚げや帯締めなどの小物も夏用のものを合わせます。最近では、名古屋帯をリバーシブルに仕立てて、夏冬着用できる帯もあります。
帯は、一重の太鼓結びにし、お太鼓の高さは、華やかにならないよう低めにします。お太鼓の大きさも控えめにし、たれも短くします。帯締めは、帯幅の中心よりやや下に締めて、房は下向きにし、帯揚げもあまり外に出さないよう、控えめにします。
髪型は華美に見えるスタイルは避け、ヘアアクセサリーなどもできるだけつけないようにしましょう。メイクは薄めに、特にキラキラ光るラメ系やパール系は望ましくありません。色味もナチュラルなものを選びましょう。